中国伝統医学とは

中国伝統医学（中医学）は、数千年の歴史を持つ中国で発展し、確立した医学です。
欧米を中心として発展してきた西洋医学では、人の体を臓器や器官などに分けて、それぞれの部分ごとに検査、診断をし、局所的な治療していきます。
一方、中医学では、「陰陽・五行学説」といったすぐれた哲学が基礎となり、人の体はさまざまな臓器や器官、さらには精神とが密接にかかわりあった小宇宙であると考え、心と体、そして自然環境の間のバランスにおいて、体にどのような異常や故障が発生しているかを診断し、治療していきます。
日本では漢方という治療法がありますが、漢方は中医学が日本に伝わり、日本において発展してきた医学であり、中医学とは異なるところも多くあります。

中国伝統医学と西洋医学の違い

	中国伝統医学	西洋医学
体の捉え方	人間は、自然界を形成する一部であるとし、人体はさまざまな臓器や器官といった身体と精神が相互に密接に関連してバランスをとっている小宇宙であるととらえます。	人体を臓器や器官の組み合わせによって形成された組織の集まりとしてとらえます。よって、心と体は区別されて捉えられています。（心身二元論）
病気のとらえ方	心と体は一体になっているという考えのもと、部分的な異常や障害は、体全体、そして心のバランスが乱れたことによって発生しているととらえています。	病気を各臓器や器官における局所的な異常や障害として考えます。心身二元論の考えから、精神と身体を個別のものとして切り離し、それぞれに心治療します。
治療方法	人間は自然界の一部という考えのもと、自然界に存在する植物や動物、さらには自然環境を活用して、人間本来がもつ自然治癒力を引き出し、高める治療方法を中心とします。また、経絡と呼ばれる気の通り道を刺激して気の通りを良くする療法も取り入れています。	科学的な検査や分析にもとづき、異常や障害がある局部に対して、抗生物質などの薬を投与したり、外科的な患部の切除によって局所的な治療を行います。